一昨年の出来事であります。
遺品整理の生前予約見積りを承り、ご自宅に伺いました。
ご本人は片手・片足が切断され、呼吸機能が低下し、酸素吸入器と点滴を装置し24時間ベッドで寝たきりで難儀しておりました。
その為、ヘルパーさんが交代で、24時間連日付ききりの勤務で対応しておりました。
食事も出来ず、言葉も不自由でありますが、ご本人の意識は明晰であり、思考力もございました。
室内は常温を維持し、滅菌処理が施されております。
ご本人は 自身の寿命が尽きかけているのを承知しておりました。
室内は2DKで若干の家財がありました。
ご本人はこのようなことをお話しして下さいました。
『 家族はあるが 自分がこの世に生を受け 旅立つならば 自分がかかわったもの一切を 自分の責任において無に還したい
それも自分の意識がしっかりある中で 全ての後始末を見届けたい
家族に手間散財をかけるのは忍びないので 自分がまだ生きているこの間で 全ての段取りをとり 後顧の憂いを無くしたい
その為には 自身の葬儀の在り方から 費用も先払いで手配したところだ
遺品整理は何社か見積りにきてもらった
その中で あなたが一番気に入った
是非 私 亡き後の片付けをして頂きたい
その為の代金を 今 お支払します 』 とおっしゃって下さいました
その日にお会いして、見積りの短い時間で信頼していただいたこと、とても嬉しく思いました。
代金は即日会社経理に託し、一時預り金として保管しておりました。
闘病生活をされているご依頼人様には何度かお見舞いに行きたかったのですが 辞めました。
これは 行けば行ったで 生きている確認をするようで 不本意でありました。
また それはそれとして おいしいものでも 差し入れしようかと思いましたが、食事制限されているお体でもあるので ただただ 静観するしかございませんでした。
その後 半年が過ぎた頃、ヘルパーさんよりご他界の訃報が入りました。
心よりご冥福申し上げます。
本案件で感じた事は 『 信頼の絆 』 です。
自分の死後を考えると不安は大きいものです。その中で遺品整理の生前予約をされることは覚悟もいることでしょう。
しかし、近年、少子高齢化が社会問題として取り上げられている社会状況を反映してか、遺品整理の生前予約をされるお客様には独居老人の方が多くなっています。
以前は「自分の死後のことは同居している家族に任せる」という考えが一般的でしたが、独居の場合は「自分の死後、家財の整理はどうなるんだろう」、「家族やご近所・大家さんに迷惑をかけたくない」、「子供もいないし、自分の遺品整理を生前に頼んでおきたい」、など、このような理由から、最近は遺品整理の生前予約をされる方が増えてきています。
生前からご自身の遺品整理をお考えになられる方はいらっしゃるようですが、なかなか行動には起こせず悩んでいる方も多いことでしょう。クリーンライフはそのような方々のお力にもなれたらと思っております。まずはご相談下さい。